NEWS

お知らせ2022.07.05

アレルギー外来について

 

アレルギーとはある特定の異物(ダニ、スギ花粉、食物など)に対して過敏に免疫が反応する状態です。

 

アレルギー反応にはⅠ型からⅣ型までの大きく4つのパターンがありますが、一般的に食物アレルギーや花粉症などはⅠ型アレルギーに分類されます。Ⅰ型アレルギーはアレルギーを引き起こす異物(アレルゲン)が体内に入って比較的短時間(直後から2時間以内)に症状があらわれるので「即時型アレルギー」ともいわれています。

 

鶏卵やスギ花粉、ダニ、ハチ毒などアレルゲンが体内に侵入すると、免疫を司る細胞が過剰に反応し、それぞれのアレルゲンに対する固有のIgE抗体(特異的IgE抗体)がつくられます。

このIgE抗体は、血液や皮膚、腸などに存在するマスト細胞という細胞に結合するため、再びアレルゲンが体内に侵入すると、その情報が細胞内に伝わり、マスト細胞が壊れてヒスタミン、プロスタグランジンなどが化学伝達物質が放出されます。これらの化学物質は平滑筋を収縮させる作用を持つほか、毛細血管の拡張や神経を刺激する作用、粘液の分泌を促進する作用を持つため、じんましんやくしゃみ、鼻水、かゆみなどの症状が現れることになります。

 

アレルギー疾患は、年齢によって発症しやすいアレルギーが異なるという特徴があります。乳児期にアトピー性皮膚炎が最初に発症して、その後、大人になるにつれて、食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎というふうに発症していく傾向があります。

 

<当院で行っているアレルギー検査>

花粉症、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、蕁麻疹、アナフィラキシーなどによりアレルギー症状がある方に対して当院では、少量の採血で行う血清特異的IgE検査を行っております。

血清特異的IgE検査は卵白・小麦・エビ・カニ・肉類・トマトなどの食物、スギ・ヒノキ・カモガヤなどの植物、ネコ・イヌなどの動物、ハウスダスト、ラテックスなどの36-48項目のアレルゲンを一度に検査する事が可能です。

詳細な結果については採血後4-5日程度で結果が分かります。

 

<血清特異的IgE検査(MAST36)で分かるアレルゲン>

食物系アレルゲン

卵白

ピーナッツ

マグロ

オボムコイド(卵)

大豆

サケ

牛乳

コメ

バナナ

小麦

ゴマ

キウイ

ソバ

牛肉

モモ

エビ

豚肉

トマト

カニ

鶏肉

 

 

吸入系アレルゲン

スギ

ブタクサ

アルテルナリア

ヒノキ

ヨモギ

カンジダ

ハンノキ

ハウスダスト

アスペルギルス

オオアワガエリ

コナヒョウダニ

ラテックス

カモガヤ

イヌ皮屑

 

シラカンバ

ネコ皮屑

 

 

上記に記載された項目以外の食材や動物なども追加することができます。

使用した薬で蕁麻疹などアレルギー症状を起こした方も薬剤名が分かれば検査が可能です。

 

 

アレルギー検査の結果、スギ花粉症やダニによる花粉症・アレルギー性鼻炎がある方には、当院では根本から治す可能性があると言われる舌下免疫療法(シダキュア、ミティキュア・アシテア)をお勧めしております。

シダキュアはスギ花粉を原料とした毎日少量ずつ体に取り込むことでスギ花粉に体を慣らしていき、アレルギー症状を和らげる治療法です。

 

適応年齢は5歳以上で、お子様から成人までの花粉症治療としても広く使われています。

 

治療期間は2年以上で3~5年間が推奨されており、花粉が飛んでいないシーズンも含めて毎日シダキュアを服用し、年単位で継続することで治療開始した約80%の患者さんで有効性が認められ、花粉症を抑えることができるようになっています。

 

治療開始時期はスギ・ヒノキの花粉飛散シーズンが終わる6月~11月に開始することが望ましいとされています。

 

花粉症の症状で学業や就業に影響が出ている方や、アレルギーのお薬で眠気が出てしまう、アレルギーのお薬を減らしたいなどお気軽にご相談ください。

 

PAGETOP